ひよこのるるの自由研究

日本語で読める世界の文学作品と、外国語に翻訳されている日本語の文学作品を、対訳で引用しています。日本語訳が複数あるものは、読みやすさ重視で比較しておすすめを紹介しています。世界中の言語で書かれたもの・訳されたもののコレクションを目指しています。

2016-01-01から1年間の記事一覧

世界のある意味の狭さ

三好達治「数人の詩人に就て」1950年 立原の詩は、それまでのいろんな詩人がきり開いた世界から、敏感な彼が彼の好みで選りすぐつて身につけた、さういふ語彙と語法とに、彼の若々しい青春をうちこんだ、そんな珍らしい出会ひの上に成立つてゐる。ここでは詩…

立原道造 実現はいつも僕らをうらぎる

立原道造(1914-1939) ①ノート 1933年5月 よいものを読んだ後、何も書くな、何も言ふな、お前は、その美しい恍惚を、お前の汚れた言葉で汚す 恥知らずを敢てするな。…… (全集第3巻、p. 461)*1 ②丸山薫宛書簡 1935年3月 うたふといふことが小鳥であり気ま…